2017年9月24日日曜日

私の教育哲学 -3C-

転職が多いと、様々な研究スタイルを知ることができるし、毎回テーマを変えることで専門分野の幅を広げることができます。業績も稼ぐことができ、着実に周囲の信頼を強くできます。しかし、短期的な研究しかできないため、大きな成果が出しにくいです。転職するたびに生活環境整備や実験装置訓練などに数か月を要するため、1~2年の雇用期間では、挑戦的研究が難しくなります。

研究職というのは、競争が激しく短期採用が多いです。そんな中で生きていくためには、確実な研究課題と挑戦的な研究課題の二つを、常に準備しておくのがいいです。確実な研究課題で年に論文1報以上出していれば、次の転職にも繋げることができます。研究費の申請にも論文が出ていると、研究計画で信頼が得やすく、通りやすいです。「年に1報書ける研究課題設定、綿密な研究計画、達成できる実験スキル」の三つを学生のうちに身に着けておくことが、世界を転々とするポスドクの生き抜くすべだと思います。

起業も同じと思いますが、一度大きな挑戦をして成功すると自信に繋がり、次にも大きな挑戦をしやすくなります。その成功体験は若ければ若いほどいいです。私の経験からすると、成功するまでに色んな種類の失敗をするのもいいと思います。研究課題を設定する際に、どこまでが可能で、どれ以上が不可能かの線引きがしやすいからです。実際に研究計画を立てる際にも、具体化しやすいです。学生の間、何度失敗してもいいから、試行錯誤しつつ挑戦し続けられる環境整備も大切だと思います。

私は、学部学生には、必ず解答のある大学受験のように式や事象を丸暗記することから離れ、本質を理解してもらいたいです。学生同士議論するよう促したり、簡易実験を行うことで、大学院研究に繋がる考察力と批判力をつける機会を設けたいです。

修士の学生には、好奇心を持って研究の楽しみを覚えてもらうと同時に、確実な研究課題で短期的研究をしっかりと達成できるようになってほしいです。達成目標が定められた際に、大きな一発を当てるのではなく、確実に成果を積み重ねて目標に近づけていくのが大事だと思うからです。

博士の学生にはたくさん失敗しつつ、挑戦的な研究課題で大きな成果を達成してほしいです。学生のアイデアを積極的に採用して、失敗し続けられる環境を整備したいです。自分自身のアイデアで成功したんだという達成感を味わってほしいです。そうすることで、創造力が身に着けられると思います。そして、大きな挑戦をする際に、どれだけ世界中の人を巻き込む必要があるかを学んでほしいです。その際にきっと協調性と国際性も身につくでしょう。学問・本質を追求するのは大前提ですが、博士修了後すぐに、起業もできるし独立PIにもなれるくらい、自立した研究者を育てる教育をしたいです。

Curiosity, Creativity, and Coorpration

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