米国では推薦がないので、羨ましい限りです(MITの就職情報はコチラ)
一方で、米国では、企業が優秀な人材を確保したい場合、
大学とのコネではなく、個人(学生または教授)とのコネが大事になります。
なので、優秀な人材を確保しようとする、米国企業のアグレッシブさはすごいです。
この前、招待講演をしたとき、企業の人に「うちに来ないか?」と誘われました。
ぽかーんでしたね。人事権がどうなっているのか、知りたいくらいです。
だって、これで「行く」と言えば、来週くらいには転職&お引越しですよ?
年収1千万円超えの青空広がるカリフォルニア生活の始まりですよ?
知り合いの日本の大学院生は、国際会議で賞を取った後、同じような誘いを受けたそうです。
米国の学生が学会発表やインターンに力を入れているのも頷けますね。
日本の就活では、論文執筆や受賞歴は、研究職でもあまり評価してもらえません。
米国の、いい成果を出して、英語で気軽に会話できたら即採用、というのは素敵☆
上の話はMITとは無関係です。では、MITの学生の就職はどうなっているのでしょうか?
MITには多数の大手企業が来て夕食付きのセミナーしてくれ、ラボツアーまでしてくれます。
MARCという会議があり、IBMやインテル、Qualcom、TIなどの企業の管理職とかが来て、
学生と一緒に食事をしたり飲んだりしながら、仲良くなる機会もあります。
まぁ、米国の大学ランクトップ校なら、学生も企業勧誘もどこも同じような感じですが、
IBMやインテルや外資系金融に行きたければ、確かにMITの大学院はいいかもしれません。
先週もインテルがMITに来て就職案内をしてました。プロジェクト一つにかける時間に驚きました。
Appleからの発注が来て、議論し、生産ラインを立ち上げ、テストし、出荷までたったの5年。
6000億円規模を誇るCPUの開発も5年らしく、アイデアがあれば年齢問わず採用するそうです。
よく大企業がやるような、規制品を改良するだけなら簡単。問題点をなくしていけばいい。
しかし、革新的な製品を出すには、全てを一から汲み上げないといけません。
以前、high-k材料で戦ったIBMは敗れ、数千億円のマーケットを失いました。本当に命がけ。
それを、ムーアの法則に従って5年スパンで何十年も成し遂げているのは、すごすぎます。
歪みSiやFinFETなどの革新技術を世に出し続けているのは、優秀な人材を確保しているから。
だから、MITなどから優秀な学生を雇うのに必死らしいです。自分のアイデアで6000億とか胸アツ。
希望職種が合いませんでしたが、これで本社に呼ばれて再度面接すれば、採用らしいです。
IBMはエントリしてから一ヵ月、テキサスインスツルメントは1週間で採用されるそうです。
優秀な人材を確保するのもマネージャーの仕事なのでしょうか?スピード感がすごい★
米国では、どこでもよければ、給与の高い仕事はいくらでもあります。
給料が高いほど、より大きなグループでの責任と信頼の確保が大切になります。
なので、もし自分の能力が十分に発揮できなければ、いつ企業からの信頼を失うかわかりません。
グループから信頼を失えば、職自体を失うこともあります。
米国で企業名と給料だけで選んで働くと、転職を繰り返す人生になりかねません。
転職は悪いことではないですが、キャリアアップを伴う転職をしたいですよね。
米国企業は全てがキャリア採用なので、その都度、企業の要望との合致が結構大変です。
自分にできる範囲でやりたいことを選ぶには、MITに勧誘に来る企業だけでは不十分です。
学生の間に「できること(専門性)」をより広く深くすることが求められます。
それに、MITの人のIQは高いですがEQ(協調性)の方が重要です。そう簡単ではありません。
学部生なら、サマースクールや一般向けのアウトリーチ活動、専門的なコンテスト受賞など。
院生ならマネージメント能力。国際共同研究を介したチームリーダ経験や筆頭論文です。
好きな仕事を見つけようとすると、MITといえど、勉学や就職活動を頑張らないといけません。
「有名大学に入れば、人生、ほぼゴール。あとはバイトとサークルをやってればいい」
なんて言っている学生でも雇うのは、日本企業くらいですね。
※東大や京大という大学名は、日本の外に出ると誰も知らないので、海外就職では無価値です。
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