2017年10月22日日曜日

教育システムの変化

私の時代では、学校も塾も黒板やホワイトボードを使った授業でした。スライドを利用していたのは、写真の多い地理くらいでした。最近では、授業スタイルも大きく変化しており、黒板かタブレットのどちらがいいかという議論もあります。私は、どちらでもよくて、黒板で慣れた人は黒板のほうが頭に残るだろうし、タブレットで慣れた人はタブレットを使ったほうが効率がいいと思います。研究仲間でも論文をipadで読むのが当たり前になっているし、議論する際もSurfaceを使ってその場でデバイスに書き込む姿をよく見るようになってきています。研究室内ではOne noteというソフトを使ってオンラインで情報共有や議論をしたりもしています。また、最近の高校では、海外の大学と連携して数週間留学する制度もできており、教育機関で新しい仕組みがどんどん取り入れられているので、今後、多様な人材が出てきそうです。

学習スタイルも変化してきています。大学や学習塾では、大人数での一斉講義が主流でしたが、個々の能力に合わせた教育というが着目されてきています。スタディサプリClassiN高等学校が有名ですね。大学生やビジネスマン用教育には、SchooHIUUdemyなどがあります。人は全員能力も好きなことも違うので、とても良い傾向だと思います。既に、大学の講義はオンラインで無料で見れるようになってきており、高校も大学も進学塾も、わざわざ通うことなく今の自分に必要な教育を効率的に受けられるようになってきているようです。今まで有名予備校に行くためにわざわざ東京や大阪まで出ていった地方の学生も、地元で都心部の人と同レベルの授業が受けられるようになったのは素晴らしいことだと思います。

先生側も生徒から授業の評価が返ってくるようになっているので、教育スキルがどんどんUPしていくと思います。大学であれば、Rate Professorというサイトで教員の授業評価が見れます。受験する大学や受ける講義選びの参考にいいかもしれません。このように情報ツールを使った教育システムができてきたおかげで、MITでは、今後、AIを駆使して個人に即した学習ができるオンラインシステムの構築などにも興味があるようです。

オンラインの短所は、人との繋がりです。かつての塾の最大の長所は、カリキュラムや講師ではなく、優秀な生徒が集まっていて、彼らがお互いを高めあっていたことだと思います。私が通っていた塾では、人数が少なく、違う学校の生徒と親密になりやすい環境がよかったです。現役で東大理IIIに行くような人達が、どのような勉強スタイルで取り組んでいたか、新しい問題に対してどんな発想を出していたか、科学に対してどのような理解・背景を持っていたかを知ることができたのはとても大きかったです。彼らどうしでも刺激しあっていたと思います。これは一緒にご飯を食べに行ったり遊んだりして知りえたことで、塾全体のレベルのボトムアップに繋がっていたと思います。講師と生徒、生徒どうしの絆は勉学向上にとても大切ですが、そのような雰囲気は作ろうと思っても簡単にできるものではありません。オンライン(SNS)でもそのような人間関係が築けるようになったとき、教育が変わったと言えると思います。

また、オンライン講座で疑問になるのが、教育の質とは何か?効率とは何か?ですね。「大学受験」という目標に対して「高校教育」という範囲が定められていれば、質も効率も設定できると思います。行きたい大学の学部に合わせて、ただ合格させればいいのですから。しかし、生きていくうえで社会において、何を学びたいかというのは無限です。お金を稼ぐための教育もあれば、趣味をつきつめる教育もあります。そして、最近では、大学に行く必要性があるのかも疑問になってきています。オンライン講座に加えて、論文もオープンアクセス化しつつあり、一般の方でも最先端研究の内容を無料で読めるようになっているからです。一方で、創発を体感できる大学院(博士)の価値はもっと上がっていいと思います。今後、教育システムが更にどう変化するのかとともに、今の10代がどのようになっていくのか楽しみです。

0 件のコメント:

コメントを投稿