2017年12月17日日曜日

教育費

私と弟にかかったであろう教育費を概算してみます。以下、一人当たりの金額です。

【幼稚園】(2年間:計100万)

【小学校】(6年間:計60万)
【塾(小学)】(3年間:計210万)

【中学校(私立)】(3年間:計240万)
【塾(中学)】(3年間:計120万)

【高校(私立)】(3年間:計300万)
【塾(高校)】(3年間:計210万)

【大学(国立)】(4年間:計280万)
【大学(私立)】(4年間:計440万)

ざっくりですが、私に対しては、幼稚園(公立)→小学(公立+塾)→中学(私立+塾)→高校(私立+塾)→大学(旧帝大)→大学院(旧帝大)なので
3~5歳:年50万
6~12際:年45万
13~15歳:年120万
16~18際:年170万
19~24歳:年70万

弟に対しては、幼稚園(公立)→小学(公立+塾)→中学・高校・大学(有名私立)なので、
3~5歳:年50万
6~12際:年45万
13~15歳:年80万
16~18際:年100万
19~22歳:年110万

となります。私と弟は2歳差ですが、合計すると私達が小学生の間は年100万、中学生で年200万、高校で年270万、大学で年180万となります。これらに、習い事(ピアノ、英会話)などの費用がかかります。私達の場合は不要でしたが、大学の場所によっては仕送り(年100万)が更にかかります。もちろん生活費(食費+賃貸料+通学費など)もかかってきます。

私の父は一般の会社員で母は専業主婦だったので、私が中学生の頃の手取りは月30万円(+ボーナス)くらいだと思います。月6万円の賃貸料を払っていたので、食費を考慮すると月20万の教育費は払えるわけがありません。学資保険を利用しても全く足りないでしょう。私達の教育費は祖父母の援助で賄われていました。つまり、父の手取りからは生活費のみが支払われていました。お陰さまで、私は旧帝大に現役で入れましたし、弟も有名私立大から大手企業に就職しています。とてもありがたいお話です。他の方には参考にならない事例かと思います。

では、私立校や塾に行かないと旧帝大には入れないのでしょうか?そんなことはありません。実際、知り合いの東大・京大生には、塾に通っていなかった人や公立中学・高校に通っていた人が、たくさんいます。北海道の山奥(電車が一日数本しかない・塾どころではない)から京大に行った友人もいます。この場合、子供が二人いても教育費は月7万なので、手取りが月30万円でも生活していけます。日本の平均年収を調べてみると、手取り月30万というのは、多くの人が40代で超えてくるようです。つまり、20歳で出産した場合は厳しいかもしれませんが、30歳で出産した場合は十分に子供二人を大学まで通わせられるということになります。生活をやりくりすれば、子供が3人(月10万)でも大丈夫かもしれません。もし子供が4人欲しいなら・・・間をあけた方がいいかもしれません。しかし、これはあくまでも平均年収なので、母子家庭など(月20万)では子供一人を大学に行かせるにも、奨学金などを利用せざるを得ないでしょう。東大・京大でも奨学金利用者は多く、彼らは返還免除のため成績を非常に大切にしていました。コンビニでほぼフルタイムで働きながら大学に通っている友人もいました。

上の話を聞いていると「ちょっと待って、子供を旧帝大に行かせるのに、本当に塾に通わせる必要はないのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。その疑問は当然で、彼らは条件付きです。家庭環境が違います。「学校で分からないことは、親が分かりやすく教えてくれた」「直接勉強を教えてもらった記憶はないが、普段、親が熱心に読書したり、親同士が政治・経済について議論しているのを見ていた」「いろんな本が棚にあり、いつでも気軽に好きな本を読めた」「小さい頃に、考える方法や勉強に取り組む姿勢を身につけさせられた」という、親の身近な姿があります。私の家庭環境にはそれらはなかったので、私立中・高や塾に行かせてもらえて良かったと思います。また、親にそういう雰囲気を作る気があっても、仕事や家事で手いっぱいの家庭では難しいです。そもそも時間に余裕がある家庭というのは・・・と考えると、格差社会が見えてきます。両親共働きの場合、どこにそんな時間の余裕があるでしょうか?二人合わせて手取りが月25万円の場合、そんな教育費(月20万)が払えるでしょうか?

おおざっぱに3つの家庭に分類すると、A「手取り50万以上」、B「親の時間余裕あり+手取り50万以下」、C「親の時間余裕なし+手取り50万以下」です。手取り50万円というのは年収800万円、または共稼ぎなら年収400万+300万相当です。もし子供を旧帝大や有名私立にいれたければ、Aの家庭は私のケースのように、私立中・高に行かせ、塾や家庭教師をつければいいと思います。親は家事と仕事に専念していればいいです。東大生の親の50%が年収950万円以上と言われていますが、これらの家庭は「お金」という力技で合格させられる可能性が高い気がします。もちろん、子供のやる気が一番大事です。Bは、親がしっかりと子供に勉強を教える必要がありますが、公立中・高でもいいし、塾に行かせる必要がないかもしれません。家庭環境次第です。私はBの家庭が理想だなと思います。だって、親子関係も作れて、幸せそうじゃないですか?年収600万円以下の家庭で育った東大生の多くは、おそらくBに相当するのではないでしょうか?

一方で、Cのように時間の余裕すら取れない、親が中学の勉強を見れない家庭もあります。こういう家庭でもBに近づける社会づくりが大事だな、と思います。地域によっては、週末や放課後にボランティアで勉強を教えてくれる人もいます。Cの方には、そういう仕組みがあるんだということを知ってほしいし、利用してほしいと思います。そして、自分自身も何かできたらなと思います。アイデアの一つは、博士後期課程の学生やポスドクにボランティアで教えてもらうことです。というのも、大学教員になる前は授業経験が全くないにもかかわらず、米国などでは大学教員になる際に教育経験が求められるからです。多くはTAのことを履歴書に書きますが、実際に授業経験がある方が強いと思います。これってwin-winではないでしょうか?他にもいろいろ、考え中・調査中です。

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