2018年2月18日日曜日

マネージメント

日本で仕事をすると、非効率な仕事がたくさんあります。すぐに改善できそうなのに、どうして直らないのでしょうか?私が感じた理由として3つ挙げます。


≪管理職の不勉強≫
日本は年功序列で終身雇用であるため、50-60歳になると課長くらいになってしまいます。上司から言われた仕事を処理する能力と、グループを効率よく回す能力は別です。管理能力が低いと、不必要にこだわりすぎて仕事が終わらなかったり、反対に、部下の仕事を管理できずに問題を発生してしまいます。また、長年の経験が邪魔をして、勉強を怠る方も少なくありません。常に勉強し続けないと、便利なシステムが日々進歩しているにも関わらず、対応しきれません。

米国の大学では、研究能力だけでなく、マネージメント能力も見られます。マネージメント能力の低い研究者は、教員にはなれません。MITで30前半の教授も、年間数億円の予算と数十人の人材をうまく動かし、世界中の企業を含むグループを組織し、運営しています。マネージメントは年齢ではありません。経験も大事ですが、主に能力です。米国の管理職は、とてもよく勉強しています。


≪努力と根気≫
日本人は非常に我慢強いです。理不尽なことや辛いことでも我慢して、上司の言うことを聞きます。「言われた通りに仕事した」その結果、より効率的な方法を思いついても、上司に告げずに時間をかけて仕事をしている人が多々おられます。時には、上司に告げるのが面倒だったり、怖かったりする場合もあります。そうした部下の無駄な努力によって仕事が達成されていることに、上司は気づけていますか?「みんな、よく頑張った。おかげで達成された」で満足していませんか?もし部下が少しでも時間外労働していたのなら、もっと短時間で達成する方法はなかったのでしょうか?

MITの教員は、世界中の企業や大学、政府関係者と常に情報交換して、新しく便利なことをドンドン取り入れます。学生の意見も簡単に取り入れます。もちろん、改悪されることもありますが、悪くなったと思ったらすぐに再修正します。大事なのは、そのフットワークです。


≪労働者の搾取≫
良いマネージメントは、グループで大きな成果を上げることです。マネージャーのやるべき雑用は、部下に投げてはいけません。過剰な雑用を部下に投げるから、時間外労働が増えるのです。部下はあなたのモノではありません、チームのメンバーです。部下に投げる前に、その雑用を押し付けてくる人に、改善策を提案するべきです。上からの指示でも拒否をするべきです。自分のグループを守れないなら、マネージャーとして失格です。例えば、「お客様は神様だ」といって、客の無理な要望を受け、部下に謝罪を強要するのは、マネージャーとして最悪です。もし、それくらいのことで「客を逃す」というのであれば、経営の方に問題があります。

研究室でいうと、教員は学生を搾取してはいけません。大学や学会の仕事をなんでも引き受け、自分の手に負えなくなって、学生に雑用を投げれば、もう研究室運営者として失格です。学生に投げる前に、秘書を雇うべきです。学生に任せるにしても、TAやRAとして給与を渡さないとおかしいです。研究も同じです。平日、一日8時間、研究活動に従事すれば、修士・博士を修了できるようにしないといけません。本人がやりたいのであれば、止める必要はありませんが、それ以上の労働を教員が求めるのはおかしいです。もしそれだけ研究しても学位が取れないなら、教員の指導能力に問題があります(もちろん逆も然りで、平日も来ないし、来ても2~3時間しか研究しないなら、その学生は学位を取るのに時間がかかって当然です)。


「昇進する=給料が上がる」だけではありません。「管理責任が伴う」ことの方が大きいです。マネージャーのみなさん、大丈夫ですか?よく必要性の分からない雑用が飛んでくるんですが、管理能力ありますか?

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