2017年8月27日日曜日

新発見した時こそ要注意?

研究をやっていると、大きな成果を挙げる時が10年に一度くらい来ます。できる人は5年に一度来ます。喜び勇んで周囲への対応を間違えると、その後の研究生活がむしろマイナスに転じます。発表前に心の準備が必要です。

お金になりそうな場合は、論文執筆前に特許申請しておきましょう。そして、直に論文を書きましょう。それも他の人が再現できるように詳しく。大きな成果は信頼が大事です。論文の査読もそうですが、多くの研究者は常識を覆すデータを信じていません。「他の人が追いついてこないように大事なとこは隠そう」とするとそのデータは誰からも認められず、アイデアだけ他の研究者に奪われ、いつの間にか第一人者の座から外れて行きます。

次に理論武装します。どんな指摘にも論理的に返せるように、しっかりと勉強しておく必要があります。データも丁寧に取る必要があります。「アイデアだけでデータは信じられない」「間違って解釈している」と思われると、なかなか相手にされません。たくさん学会発表していっぱい指摘され、それにしっかりと答えていくことで信頼が得られるのです。共同研究や試料提供には、積極的に協力しましょう。

仲間が増えるまでの数年間は、仲の良い人以外誰も信じてくれません。むしろ周囲からバカにされたような気分になります。ずっと辛い時期が続きます。大きな研究費もまだ降りません。しかし、実験的にはこの期間がとても重要で、他の人に先を越されないように、基本的な実験を全てやってしまいましょう。地盤を固めるのです。一人で正確な実験ができない場合は、その道のプロと共同研究しましょう。この頃は何をやっても世界初なので、とても楽しいです。いわゆる、ブルーオーシャンってやつですね。研究をやっている方全員に、この感動を味わってほしいです。

他の人が真似をし出した頃、招待講演が増え、大型研究費も取れるようになります。このときになると面白い研究がなくなってきます。いわゆる、レッドオーシャンってやつです。一つの成果にしがみつかず、浮かれず、さっさと気持ちを切り替えて、次の大きな花火を打ち上げるために、新しいプロジェクトを一から始めましょう。サバティカルに出るのにも良いタイミングです。

この流れで行くと、5~10年のスパンで大きな成果を出せます。毎年出せる人は神です。たまにいます。彼らは、スゴイ成果が出るのが当然のような態度をしています。一方で、大きな成果に浮かれていると、一生に一度の花火で終わります。これはたくさんいます。そして、何年たっても武勇伝として飲み会で自慢されます。

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