就職活動計画の練り直しの続き
※日本アカデミック
まだいくつかは連絡すらきていません(どうやら数か月かかることもあるようです)が、応募は出し切りました。応募していなくて専門の近いアカデミックポストもまだ何件か残ってますが、そこよりは企業の方が魅力的だと思っているので、もう出すつもりはありません。後悔はしていません。
この後は、日本では研究所の応募が一部再開します。流れは「12月応募〆切、1月面接、2月採用連絡、4月着任」です。日本の企業も似たような感じです。良さそうな公募があれば出してみようと思います。
※日本企業
11月にボストンでキャリアフォーラムがあります。日本企業のキャリアフォーラムとしては、ボストンが世界最大です。英会話能力の高い米国大学・大学院の卒業生がターゲットとされています。企業によっては「語学+専門性」を見ており、博士課程の学生にとっては日本よりも圧倒的に動きやいです。もちろん、日本人以外の方や30代後半のポスドクなどもwelcomeなので、私でさえも居心地が良かったです(こんなおじさんにも企業側から声をかけてくれました!)。このボスキャリは3日間開かれ、その場で面接し、すぐに採用が決まることがあるのが特徴です。3日目には、内定者の名前が各ブースの前に多数貼り出されていました(おめでとうございます!)。一般的な日本の就職イベントと比べて、参加する学生達の目の色や事前準備の状況が明らかに違います。9~10月時点で就職先が決まっていない方が、企業就職を最も短期間で決められる場所とも言えます。それを知ってか、なんとわざわざ日本から来る学生もいるそうです。スーツケースをゴロゴロ転がしている学生達がたくさんいました。
200社以上の企業が参加していますが、英語ペラペラな学生が数千人も参加しており、競争は非常に激しいです。3日目には殆どの企業が説明会を終えていることもあり、事前に企業について下調べして初日か2日目には興味のある企業に訪問しておきたいところです(3日間で訪問できる企業数は1人当たり平均7社程度)。参加登録は当日もできますが、事前にしておいた方が絶対いいです。なぜなら登録と一緒に事前応募できるシステムがあり、キャリアフォーラム参加前に企業との面接を決められるからです。だいたい10社程度の企業に事前応募して、2社前後の面接予定がボスキャリ開始前に決まっているそうです。すごいですね。こんなに効率のいい就職活動を日本企業でするのは、なかなかできないのではないでしょうか?留学生や海外ポスドクには、日本に一時帰国して就職活動するよりもボスキャリに参加する方が絶対オススメです。例え、欧州やカリフォルニアにいようとも。
医・製薬系の研究者であれば、同じ時期にボストンの別会場で行われているCPPが魅力的です。日本の大手企業が研究職の門戸を開けて、博士に対して「おいでおいで」と手を拱いてくれることは滅多にありません。お勧めです。40代でもwelcomeです。話を聞きに行くだけでもokです。
転職サイトをいろいろ試しましたが、研究者にはビズリーチがお勧めです。ここはヘッドハンターが直接連絡をくれるので、かなり専門が合致した案件を紹介してくれます。職歴のないポスドクなのに年収800万円以上希望としていても、数社から連絡がありました。他のサイトは機械式なので、分野のかけ離れた案内ばかりでした。これからはビズリーチ一本に絞りたいと思います。後、Linked inの登録は絶対にしておくべき。外資系から好条件で、たくさん連絡が来ます。中には日本勤務も多数ありました。
※欧米アカデミック
Nature jobsやScience carrierを見ていましたが、専門が合致するものがほとんどありませんでした。出せそうなものには積極的に応募しました。9月からは、コチラの就職活動をメインに動いています。
欧米のアカポスには推薦書が3~4つ必要になります。今のボスも指導員も、快く推薦書を書いてくれました。しかし、1年間一緒に仕事をしたことのある欧州の教授からは、推薦書執筆についての了承の返信がもらえませんでした。とても残念です。米国の教授は皆快諾してくれたので、あくまで推測ですが、下記のような文化の違いがあるのかもしれません。
米国のアカポスの倍率は100~600倍です。すごい競争率もさながら、応募する側も同時に多数応募するようです。今いるラボのMITポスドクは教員公募に既に15件出していますが、まだ半分だそうです。ボスはMITの教授になるまで40件は出したようです。単純計算では、競争率が100倍としても50件出せば2年以内に通ることになります。50件といってもトップスクールは数件だけです。様々な大学の公募は、学術雑誌や一般サイト、大学HPに載っているようです。
トップスクールは、テニュアトラック制度を利用していることが多く、幅広い分野から研究者を募っています。その分、競争率が非常に高いです。最初からトップスクールの教員になるには、CNS系論文の筆頭著者であり、ノーベル賞クラスの推薦書があり…という話になってきて、かなり難しいです。なので、手当たり次第に応募して採用された場所をキープしつつ、その中でベストなポジションに着くのが米国式のようです。そこで数年間頑張り、溜めた研究費と業績を引っ提げて、トップスクールに移動する、という計画を立てている方もおられます。
何十件も出すのは大変そうに思われますが、提出書類(Teaching statement、Research statement、CV)はどこも大体同じで構いません。変えるとすればcover letterくらいです。出しているうちに、内容も良くなっていくでしょう。推薦書を何十回も頼むのには気を使いますが、米国教授はアカポス就職の状況をよく理解しているので快諾してくれます。欧州では、ここまで節操なく応募しないようなので、理解が得られなかったのかもしれません。
上記の状況を鑑みると、まだ10件も出していませんが、面接連絡や推薦書依頼に対して一喜一憂している場合ではなさそうです。ボスの「頼んでダメならそれまで。出さなきゃ始まらない」という普段のドライでアグレッシブな仕事スタイルも頷けます。余談ですが、他のMITの教授にメールしても返信がないことが多々あり、そんな時に「直接オフィスに行ってドアを叩けばいいよ。ダメならそれまで」と言われたことがあります。全て全力、落ちて当然、通れば幸運、くらいで頑張ろうと思います。
※欧米企業
Fビザの場合、学生卒業後3年間は米国に残れます。就職先として日本か米国か第3国で迷っている場合は、就職してからグリーンカードやH1Bビザを申請すればよく、特に大学教員の場合はすぐにその申請が下りるようです。一方、Jビザで滞在していて企業に就職する場合はいろいろと面倒です。
私はJビザなので、米国で働くにはビザの問題で米国企業に就職できないのでは、という懸念がありました。しかし、Jビザである程度の研究業績がある場合はOビザ申請ができるようです。グリーンカードは申請に1年ほどかかってしまいますが、Oビザは早ければ3か月以内に申請が下りるようです。つまり、3月に動き出して就職がすぐに決まれば、6月には米国で働き始められるということです。米国大学でのポスドク契約が3月までの場合でも、Jビザの延長は難しくないので、ボスに2~3か月延長してもらえさえすれば大丈夫なようです。この話を聞いて、ビザの問題はかなり軽減されたので、欧米企業への就職は最終手段にしたいと思います。今は保留にしておきます。
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